障害者公務員は『勝ち組』?給料や仕事内容、メリット・デメリットを徹底解説
はじめに:「障害者公務員は勝ち組」って本当?
「障害者雇用で公務員になると、安定していて勝ち組だ」
インターネットの掲示板やSNSで、そんな言葉を見かけたことはありませんか?
確かに公務員は、給料や福利厚生が安定しているというイメージが強く、多くの人が目指す人気の職業です。しかし、「勝ち組」という言葉の裏側には、仕事の難易度や、ならではの苦労があるのも事実です。
この記事では、「障害者公務員は勝ち組」というイメージの真相に迫ります。障害者雇用で公務員になるメリットやデメリット、気になる給料や仕事内容、そして就職するための難易度まで、リアルな情報を分かりやすく解説していきます。
障害者公務員になる4つのメリット
障害者雇用で公務員として働くことには、一般的な民間企業にはない、様々なメリットがあります。
1. 安定した雇用と給料
公務員最大のメリットは、やはり雇用の安定性です。景気に左右されることがなく、クビになる心配がほとんどありません。また、給料は法律や条例に基づいて定められているため、毎年少しずつ昇給していくのが一般的です。
2. 福利厚生が充実している
公務員は、各種手当(扶養手当、住居手当など)や、有給休暇、病気休暇などが法律でしっかり定められています。障害のある方が安心して働けるように、通院のための休暇や、体調に配慮した勤務体制なども柔軟に対応してもらえるケースが多いです。
3. 障害への理解と配慮がある
公務員には、障害者雇用促進法に基づいて採用された職員が多く働いています。そのため、障害に対する理解が比較的深く、配慮を受けやすい環境と言えるでしょう。例えば、業務内容を体調に合わせて調整してもらったり、バリアフリーの環境が整っていたりするケースが多いです。
4. 社会貢献できるやりがいのある仕事
市役所や県庁、国の機関で働くことは、市民や国民の生活を支えることにつながります。自分の仕事が誰かの役に立っているという実感が得られやすく、大きなやりがいを感じられるでしょう。
障害者公務員になる上での3つのデメリット・注意点
メリットばかりに目を向けていると、後から「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになりかねません。デメリットもしっかりと把握しておきましょう。
1. 仕事のペースや内容に制限がある場合も
障害者雇用で採用されると、担当する業務内容が限定されたり、一般の職員とは異なる仕事を担当したりすることがあります。簡単な事務作業などが中心となることが多く、やりがいを感じにくいと感じる方もいるようです。
2. キャリアアップや昇進が難しい場合も
一般採用の職員と比較すると、昇進のスピードが遅かったり、キャリアアップが難しかったりするケースもあります。これは、配慮された業務内容が原因で、責任あるポジションに就く機会が少ないためです。
3. 職場によっては理解が得られないことも
多くの公務員の職場は障害者への理解がありますが、残念ながら全ての職場がそうとは限りません。中には、障害に対する理解が不足していたり、配慮を求めることに心苦しさを感じたりするケースもゼロではありません。
気になる「給料・年収」と「仕事内容」を解説
給料・年収
障害者雇用の公務員の給料は、基本的には一般採用の職員と同じ給与体系が適用されます。初任給は高卒・大卒などで異なりますが、年収にするとおよそ200万円〜350万円程度からスタートすることが多いです。
その後は、毎年少しずつ昇給していくため、勤続年数が長くなるほど安定した収入を得ることができます。
仕事内容
仕事内容は、配属される部署や、個々の障害の特性によって様々です。
事務職:
市役所の窓口業務や書類の整理、データ入力、電話応対などが中心となります。
技術職:
土木、建築、機械などの専門分野で、一般職員のサポート業務を行います。
その他:
図書館の司書や、博物館の学芸員など、専門的な仕事に就くケースもあります。
公務員障害者枠の難易度と就職方法
難易度
公務員試験は一般的に難易度が高いですが、障害者枠の試験は一般枠と比べて筆記試験の難易度が低く設定されていることが多いです。
試験内容は、教養試験(高校卒業程度の知識)と、作文や面接が中心となります。倍率は一般枠ほどではありませんが、それでも競争率が高い人気の自治体では、高い倍率になることもあります。
就職方法
障害者枠で公務員を目指す場合、まずはお住まいの自治体や、働きたい官公庁の採用情報をチェックしましょう。
障害者向けの採用情報
自治体や官公庁の公式サイトに、障害者向けの採用情報が掲載されています。
ハローワーク
ハローワークでも、障害者雇用の公務員の求人情報を得ることができます。
就労移行支援事業所
専門の事業所に相談すれば、公務員試験対策や、面接の練習などをサポートしてもらえます。
まとめ:「勝ち組」かどうかは自分次第!
「障害者公務員は勝ち組」という言葉は、確かに安定した給料や充実した福利厚生といったメリットを指していると言えるでしょう。
しかし、仕事のやりがいやキャリアアップなど、人それぞれの価値観によって、「勝ち組」の定義は変わってきます。
安定した環境で社会貢献したい
障害への配慮を受けながら働きたい
そう考える方にとっては、障害者雇用の公務員は非常に魅力的な選択肢です。
まずはご自身の働く上での価値観をじっくり考えて、その上で、公務員という選択肢を検討してみてください。