食のプロなら知っておきたい!イタリア語の食品業界用語と料理専門用語集


イタリア料理は、その美味しさだけでなく、料理名や食材の呼び方、調理法に至るまで、全てが独特の響きを持つイタリア語で表現されます。

「パスタ」や「ピッツァ」のように広く知られている言葉もあれば、「カポクオーコ」「ディジェスティーヴォ」のように、食の現場専門的な会話で頻繁に使われる、知っていると一目置かれる専門用語も数多く存在します。

イタリア語の専門用語を知ることは、単にイタリア料理を楽しむだけでなく、本場イタリアの食文化や仕事への理解を深めるための鍵となります。特に、食品の輸入・販売に携わる方、プロの料理人を目指す方にとっては、避けて通れない知識です。

この記事では、食品業界で必須となるイタリア語の用語を、食材・調理法・レストラン運営という3つのカテゴリーに分けて、分かりやすく解説します。


1. 食材・食品分類に関するイタリア語の専門用語

イタリアの食文化を語る上で欠かせないのが、その多様な食材と品質を保証する専門用語です。単なる「チーズ」や「ワイン」ではなく、具体的な名称を知ることで、製品への理解が深まります。

イタリア語読み方意味・解説
Formaggioフォルマッジョチーズ全般。特定のチーズを指す場合はParmigiano Reggiano(パルミジャーノ・レッジャーノ)など個別の名称を使う。
Salumiサルーミ食肉加工品の総称(生ハム、サラミ、ベーコンなど)。単数形はSalume(サルーメ)。
Prosciutto Crudoプロシュット・クルード生ハム。Crudo(クルード)は「生」の意味。
Prosciutto Cottoプロシュット・コット加熱したハム。Cotto(コット)は「加熱した」の意味。
Vinoヴィーノワイン。赤ワインはVino Rosso(ヴィーノ・ロッソ)、白ワインはVino Bianco(ヴィーノ・ビアンコ)。
Olio d'Olivaオーリオ・ディ・オリーヴァオリーブオイル。特に高品質なものはOlio Extra Vergine(オーリオ・エキストラ・ヴェルジネ/エクストラバージンオイル)。
Agrumiアグルーミ柑橘類(レモン、オレンジなど)の総称。
Farinaファリーナ小麦粉。パスタやパンの製造に必須の用語。
Aceto Balsamicoアチェート・バルサミコバルサミコ酢。Aceto(アチェート)は「酢」のこと。
Gelatoジェラートアイスクリーム。イタリアの伝統的な氷菓子。
Digestivoディジェスティーヴォ食後酒(グラッパ、リモンチェッロなど)。消化を助ける目的で飲まれる。
Acqua Naturaleアクア・ナトゥラーレ炭酸ガスが入っていない(普通の)水。
Acqua Frizzanteアクア・フリッザンテ炭酸ガスが入っている水(スパークリングウォーター)。

2. 調理法・技術に関するイタリア語の専門用語

キッチンや製造現場で指示を出す際や、レシピを読む際に不可欠な、調理に関する専門的な動詞や形容詞です。

イタリア語読み方意味・解説
Cuocereクオーチェレ「煮る」「焼く」「炒める」など、加熱調理全般を指す汎用的な動詞。
Al Fornoアル・フォルノ「オーブン焼きの」。オーブンで焼いた料理(例:ラザニア・アル・フォルノ)。Forno(フォルノ)は「オーブン/窯」。
Friggereフリッジェーレ「揚げる」。揚げ物の技法。Fritto(フリット)は「揚げた」。
Saltareサルターレ「炒める」「ソテーする」。強い火力で短時間で炒め合わせる。
Soffriggereソッフリッジェーレ「炒め煮にする」「弱火でゆっくり炒める」。料理の風味のベース作りで重要な技法。
Bollireボッリーレ「茹でる」「沸騰させる」。パスタを茹でる際などに使用。
Macinareマチナーレ「挽く」「粉砕する」。肉や穀物を挽くこと。
Impastareインパスターレ「生地をこねる」「練る」。パンやピッツァ、パスタ生地を作る工程。Impasto(インパスト)は「生地」。
Scolareスコラーレ「水気を切る」「湯を切る」。パスタの湯切りなど。
Manteca(re)マンテカ(ーレ)「乳化させる」「混ぜてとろみをつける」。リゾットやパスタの仕上げに、バターやチーズを加えてコクと一体感を出す重要テクニック。
Al Denteアル・デンテ「歯ごたえがあるように」。パスタやリゾットの最適な茹で加減を示す専門用語。
Ripienoリピエーノ「詰め物」。ラビオリやカネロニなど、中に具材を詰めた料理を指す。

3. レストラン・業界運営に関するイタリア語の専門用語

料理人やホールの専門職の名称、コース料理の構成など、店舗運営や取引先との会話で必須となる用語です。

3-1. 職種・ポジション名

イタリア語読み方意味・解説
Cuoco / Cuocaクオーコ / クオーカ料理人(男性 / 女性)。
Capocuocoカポクオーコ料理長、シェフ。キッチンの最高責任者。
Pizzaioloピッツァイオーロピザ職人。特にナポリピッツァを作る職人。
Pastaioパスタイオパスタ職人。特に手打ちパスタを作る専門家。
Pasticciereパスティッチエーレパティシエ、菓子職人。ドルチェを担当。
Sommelierソムリエワインの専門家。客への提案や在庫管理を行う。
Cameriereカメリエーレウェイター、給仕人。
Proprietarioプロプリエターリオオーナー、経営者。

3-2. 料理カテゴリーと飲食店名

イタリア語読み方意味・解説
Antipastoアンティパスト前菜Anti(前)とPasto(食事)の組み合わせ。
Primo Piattoプリーモ・ピアット一皿目の料理(パスタ、リゾット、スープなど)。
Secondo Piattoセコンド・ピアット二皿目の料理(メインディッシュ、肉・魚料理)。
Contornoコントルノメイン料理の付け合わせの野菜や副菜。
Dolceドルチェデザート、甘いもの。
Ristoranteリストランテ高級・本格的なフルサービスレストラン
Trattoriaトラットリア家庭的で比較的カジュアルなレストラン。
Osteriaオステリアかつてはワインバー的な店。現在ではトラットリアと近い、より気軽に楽しめる居酒屋的要素もある飲食店。
Pizzeriaピッツェリアピザ専門店
Barバールカフェ。コーヒーや軽食、お酒を提供するイタリアの生活に欠かせない場所。
Copertoコペルト席料(テーブルチャージ)。

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