🇮🇹 ローマ旅行の治安情報:観光客が知っておくべき軽犯罪対策と安全な過ごし方
永遠の都ローマは、世界中から観光客が訪れる魅力的な都市ですが、残念ながら観光客を狙ったスリや置き引きといった軽犯罪が多発しているのも事実です。大規模なテロや凶悪犯罪の発生リスクは低いものの、日本とは異なる治安環境であることを認識し、適切な防犯対策を行うことが、安全で楽しい旅行の鍵となります。
特に、軽犯罪の認知件数は増加傾向にあります。ローマでの滞在を快適にするために、場所別・シーン別の具体的な注意点と対策を詳しく解説します。
1. ローマの治安状況の全体像と主な犯罪傾向
ローマは観光客の多い都市ですが、外国政府の安全情報でも特段の危険情報は出ていません(レベル1未満)。しかし、「観光客を狙った軽犯罪が多い」という認識が必要です。
1-1. 主な犯罪とその手口
ローマで最も注意すべきは、スリと置き引きです。
スリ(Pickpocketing): 混雑した場所(バス、地下鉄、観光地の列など)で、複数人のグループで連携して行われます。一人が話しかけたり、肘でつついたりして注意をそらし、その隙にもう一人が財布やスマートフォンを盗み取る手口が典型的です。
置き引き(Theft): レストランやカフェ、駅などで、椅子や床に置いた荷物、席を離れた際の荷物を狙われます。一瞬の油断が命取りになります。
偽警官/偽ガイド: 「薬物捜査」や「パスポートのチェック」などを装って近づき、貴重品を出させて盗んだり、法外な料金でツアーを勧誘したりするケースがあります。本物の警察官は必ず制服を着用しており、私服の警察官が観光客に職務質問をすることは非常に稀です。
2. 要警戒エリアと安全な過ごし方
ローマ市内でも、特に警戒すべき場所と時間帯があります。
2-1. ⚠️ 要警戒エリア
| 場所 | 危険な状況と対策 |
| ローマ・テルミニ駅周辺 | 夜間の治安悪化が顕著。昼間でも駅構内や駅前広場、周辺の路地ではスリや浮浪者に注意。深夜の単独行動は避けましょう。 |
| 公共交通機関(バス・地下鉄) | 最もスリが多い場所。ドア付近は犯人が逃げやすいため特に危険です。車内では荷物を背負わず、必ず体の前で抱え、ファスナーに手を添えましょう。 |
| トレヴィの泉、スペイン広場、コロッセオ | 観光客が集中する場所。写真を撮る際に夢中になり、荷物から注意がそれた一瞬を狙われます。 |
| バチカン市国(サンピエトロ広場) | 行列や人混みが多発します。特に美術館の入場時の手荷物検査場周辺や、広場での混雑時は細心の注意が必要です。 |
2-2. 時間帯別の注意点
夜間(21時以降): 人通りの少ない路地や、テルミニ駅周辺の単独歩行は絶対に避けてください。移動には、正規のタクシー乗り場で乗車するか、ホテルのフロントから**無線タクシー(ラジオ・タクシー)**を呼んでもらいましょう。
早朝・深夜のATM利用: 控えてください。ATMを利用する際は、できるだけ銀行などの建物内にあるものを利用し、周囲に不審者がいないか確認してから操作しましょう。
3. ローマ旅行で役立つ具体的な防犯対策
安全な旅行のための具体的な行動対策をリストアップします。
3-1. 貴重品と荷物の管理
貴重品は分散して携行する: 全ての現金やカード、パスポートを一つのバッグに入れないでください。
パスポートの保管: 基本的にホテルのセーフティボックスに保管し、外出時はパスポートのコピーや**ID(国際免許証など)**を携行しましょう。原本を持ち歩く場合は、セキュリティポーチなどに入れて服の下に身に着けてください。
バッグは身体の前に: リュックは必ず前抱えにし、ショルダーバッグやハンドバッグは常に身体の前に置き、手を添えて持ちましょう。
ファスナー付き・施錠対策: バッグはファスナー付きのものを選び、カラビナや小型のダイヤル錠でファスナーの取っ手を固定しておくと、スリ対策として有効です。
3-2. 観光中の行動対策
写真撮影時も周囲に注意: 夢中になって周囲への注意がおろそかにならないよう、必ず同行者と連携して警戒しましょう。
カフェ・レストランでの注意: バッグを椅子にかけたり、足元に置いたりせず、必ず膝の上または体と壁の間に置くようにしてください。
見知らぬ人からの親切に警戒: 地図を広げて話しかけてきたり、親切を装って液体をかけてきたりする行為は、スリの気をそらす手口の可能性があります。警戒心を持って接し、不要な接触は避けましょう。
スマートフォン(携帯電話)の露出を控える: 路上で長時間スマートフォンを操作していると、強盗やひったくりの標的になりやすくなります。必要な場合は、カフェやホテルのロビーなど、セキュリティの整った場所で操作しましょう。
4. 教会や美術館でのマナーと注意事項
ローマには多くの歴史的な教会や美術館があります。治安とは異なりますが、不必要なトラブルを避けるためにマナーも守りましょう。
服装の注意(特に教会): サンピエトロ大聖堂などの教会では、肩や膝の露出が多い服装(ノースリーブ、ショートパンツ、ミニスカート)は入場を拒否されます。羽織るものやストールを用意しておきましょう。
静粛に: 建物内では大声での会話や、フラッシュ撮影は控えましょう。帽子は建物内では外すのが礼儀です。
💡次のステップ: ご自身の携行品をリストアップし、パスポートやクレジットカードなどの貴重品を分散して収納するためのセキュリティポーチや隠しポケット付きの服を準備しましょう。