イタリア語の「量」をマスター!日常会話がもっと弾む表現と使い分けのコツ
イタリア旅行や現地のレストラン、あるいはイタリア人の友人との会話で、「少しだけ」「たくさん」「もう少し」といった量の表現に迷ったことはありませんか?
イタリア語で量を表す言葉は、単に数が多いか少ないかだけでなく、数えられるもの(可算名詞)か数えられないもの(不可算名詞)か、あるいは自分の主観で「多すぎる」と感じているのかなど、状況によって細かく使い分けられます。
この記事では、イタリア語の基本的な量の表現から、ネイティブがよく使う自然な言い回し、そして間違えやすい文法ポイントまで、具体例を交えて詳しく解説します。この記事を読み終える頃には、イタリアでのショッピングや食事の時間がもっと楽しく、スムーズになるはずです。
1. 基本の「たくさん」と「少し」を使いこなす
まずは、最も頻繁に使う「molto(たくさん)」と「poco(少し)」を押さえましょう。これらは、形容詞として使う場合と副詞として使う場合で形が変わるのが特徴です。
〇 molto(モルト):たくさん、とても
英語の「many」や「much」、「very」に相当します。
形容詞として使う場合(名詞を修飾)
名詞の性(男性・女性)と数(単数・複数)に合わせて語尾が変化します。
Molto tempo(たくさんの時間)
Molta acqua(たくさんの水)
Molti amici(たくさんの友達)
Molte persone(たくさんの人々)
副詞として使う場合(形容詞や動詞を修飾)
形は常に「molto」のままで変化しません。
Lui è molto gentile.(彼はとても親切です)
Mi piace molto.(それが大好きです)
〇 poco(ポーコ):少し、わずかな
英語の「few」や「little」に相当します。これも名詞に合わせて変化します。
Poco sale(少しの塩)
Poca voglia(少しのやる気)
Pochi soldi(少ないお金)
Poche macchine(少ない車)
2. 「少しだけ」を伝える便利なフレーズ「un po'」
日常会話で「少し」と言いたい時、最も自然に聞こえるのが 「un po' di...」 という表現です。これは「poco」よりもポジティブなニュアンスや、「ちょっとした分量」というニュアンスで使われます。
Un po' di zucchero, per favore.(砂糖を少しください)
Parlo un po' di italiano.(イタリア語を少し話します)
この「un po'」は非常に便利で、後に続く名詞が男性でも女性でも、単数でも複数でも形を変えずに使えます。「poco」を使うと「(足りなくて)少ない」というネガティブな響きになることがありますが、「un po'」なら「少量ある」という自然なニュアンスになります。
3. 「多すぎる!」を表現する「troppo」
イタリア語で「度を越している」と言いたい時は 「troppo」 を使います。
C'è troppa gente.(人が多すぎます)
Ho mangiato troppo.(食べすぎました)
「molto」と同様、名詞にかかる場合は語尾が変化し(troppo, troppa, troppi, troppe)、動詞を修飾する場合は不変です。観光地での混雑や、料理の味付けが濃すぎる時など、自分の感情を込めて伝えたい時に役立ちます。
4. 料理や買い物で役立つ「具体的な量」の言い方
イタリアの市場(メルカート)やスーパーの量り売りコーナーで役立つ、具体的な単位の表現を見ていきましょう。
〇 un chilo(ウン・キーロ):1キログラム
イタリアでは重さの単位としてキロが基本です。
Un chilo di mele(1キロのりんご)
Mezzo chilo di pane(0.5キロ/500gのパン)
〇 un etto(ウン・エット):100グラム
これはイタリア独特の便利な単位です。「100g」と言う代わりに「un etto」を使います。ハム(プロシュート)やチーズを買う時に必須です。
Due etti di prosciutto crudo(200gの生ハム)
〇 un sacco(ウン・サッコ):山ほど、たくさん
「sacco」はもともと「袋」という意味ですが、口語では「ものすごくたくさん」という意味で使われます。
Ho un sacco di cose da fare.(やることが山ほどあるんだ)
5. 「十分」と言いたい時の「abbastanza」
「足りている」あるいは「まあまあ(程度)」を表すのが 「abbastanza」 です。
Ho abbastanza soldi.(十分なお金を持っています)
Il film era abbastanza bello.(その映画はまあまあ良かったです)
この言葉は、過不足なくちょうど良い状態を指すだけでなく、「中程度」というニュアンスでも頻繁に使われます。
6. 数えられる量と数えられない量の注意点
イタリア語の量の表現で初心者がつまずきやすいのが、「di(の)」の使い方です。
「量」を表す言葉の後に名詞を置く場合、多くの場合で「di」を挟みます。
Un bicchiere di vino(グラス1杯のワイン)
Un pezzo di formaggio(チーズ1切れ)
Una scatola di cioccolatini(チョコレート1箱)
ただし、先述した「molto」や「poco」などは形容詞として名詞の直前に置くため、「di」は不要です。この違いを意識するだけで、イタリア語の習熟度がぐっと上がります。
7. 「もう少し」をスマートに要求する
レストランで「もう少しパンが欲しい」といった、追加の依頼をする時のフレーズを覚えましょう。
Ancora un po' di pane, per favore.(もう少しパンをください)
Un altro po' di acqua.(もうちょっとの水を)
「ancora」は「まだ、さらに」、「altro」は「他の、別の」という意味ですが、どちらも量の追加を求める際に使われます。
8. まとめ:イタリア語の「量」を使い分けるコツ
イタリア語の量の表現は、以下の3つのポイントを意識すると整理しやすくなります。
形容詞(変化する)か副詞(変化しない)かを見極める
客観的な量(1キロなど)と主観的な量(多すぎるなど)を使い分ける
「un po' di」を会話の万能スパイスとして活用する
イタリア人は会話の中で、手振り身振り(ジェスチャー)を交えて量を表現することも多いです。「これくらい」と指で示しながら、今回ご紹介した単語を使ってみてください。言葉だけでなく、ニュアンスがより正確に相手に伝わるはずです。
正確な量の表現を身につけることで、イタリアでの生活や旅行はより豊かで、ストレスのないものになります。まずは今日から、身の回りにあるものの量をイタリア語で数えてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q: 「Tutto」も量の表現に含まれますか?
A: はい。「tutto(全部)」も重要な量の表現です。名詞に合わせて tutto, tutta, tutti, tutte と変化します(例:tutti i giorni / 毎日)。
Q: 飲み物を注文する時の「少なめ」はどう言いますか?
A: 「Poco」を使っても良いですが、例えばコーヒーなら「un caffè macchiato(少量のミルク入り)」のように、メニュー名自体に量が含まれることもあります。単に量を減らしてほしい時は「poco...」や「non troppo(多すぎないように)」と伝えるとスムーズです。
Q: 数の「1つ、2つ」と「量」はどう使い分けますか?
A: 個別で数えられるものは数詞(uno, due, tre...)を使い、液体や一塊の物質などは、今回解説した分量の単語(un po', un chiloなど)を使います。
イタリア語の豊かな表現力を味方につけて、現地の人々とのコミュニケーションをより深く楽しんでくださいね。
次のステップとして、特定の食材やアイテムを指す際に役立つ「単位」の単語リストを作ってみるのもおすすめです。