パスタにスプーンはNG?イタリア人に愛される食事マナーと「粋な食べ方」の基礎知識


イタリア料理を象徴するメニューといえば、やはりパスタ。しかし、本場イタリアでのパスタの食べ方には、私たちが日本で当たり前だと思っている習慣とは異なる「粋なルール」が存在します。

「パスタを食べる時、スプーンを使ってもいいの?」

「音を立てて食べるのはやっぱりマナー違反?」

「本場のレストランで恥をかきたくない」

そんな疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。イタリア人にとって食事は人生の喜びそのもの。だからこそ、料理への敬意を表すマナーを知っておくことで、現地での食事体験はより深く、豊かなものになります。

今回は、意外と知らないパスタの正しい食べ方から、食卓を共にする相手を不快にさせない立ち振る舞いまで、具体的かつ分かりやすく解説します。


1. パスタにスプーンを使わないのが「粋」な理由

日本ではパスタをフォークに巻き付ける際、左手にスプーンを添える光景をよく目にします。しかし、イタリアの一般的なレストランや家庭では、パスタにスプーンを添えることはほとんどありません。

なぜスプーンを使わないのか?

イタリアにおいて、パスタにスプーンを使うのは「まだフォークを上手に使えない子供」や「特別な介助が必要な人」という認識が一般的です。大人がスプーンを使ってパスタを巻く姿は、現地の人から見ると少し幼い印象を与えてしまうことがあります。

フォーク一本で美しく食べるコツ

  1. お皿の縁を利用する: フォークを垂直に立て、お皿の平らな部分や縁(ふち)を利用して、数本の麺を巻き取ります。

  2. 欲張りすぎない: 一度にたくさんの麺を巻こうとすると、塊が大きくなりすぎて口に運びづらくなります。2〜3本ずつ丁寧に巻くのが、美しく食べる秘訣です。


2. 絶対に避けたい!イタリアのタブーとマナー

美味しい料理を前にしても、これだけは気をつけたいポイントがいくつかあります。

麺をナイフで切らない

ロングパスタ(スパゲッティなど)をナイフで短く切って食べるのは、イタリアでは大きなマナー違反とされています。麺の長さも含めてその料理の完成形であるため、そのままの状態でフォークに巻いて食べるのがルールです。

音を立ててすすらない

日本では蕎麦やうどんをすする文化がありますが、イタリア(を含む西洋諸国)では食事中に音を立てることは極めて失礼な行為とみなされます。パスタを口に運ぶ際は、すすらずに、一口で収まる量を巻いて静かに食べましょう。

粉チーズをかける前に

運ばれてきたパスタに、味を確かめる前から粉チーズ(パルミジャーノなど)をたっぷりかけるのは避けましょう。特に、魚介類を使ったパスタにチーズをかけるのは、イタリアでは邪道とされることが多いです。まずはそのままの味を楽しみ、必要であればシェフの意図を尊重しつつ使いましょう。


3. 残ったソースをパンで拭う「スカルペッタ」の愉しみ

お皿に残った美味しいソース。これを最後まで味わい尽くすための「スカルペッタ(Fare la scarpetta)」という習慣があります。

「スカルペッタ」とは、パンのひとかけらを使ってお皿をピカピカにする行為のこと。高級すぎるリストランテでは控えめにするのが無難ですが、トラットリアなどのカジュアルな場では「お皿を洗う必要がないほど美味しい!」という最高の褒め言葉として受け取られます。指先でパンを小さくちぎり、ソースを絡めていただく姿は、まさにイタリア流の食事の楽しみ方です。


4. 食事の時間を彩るコミュニケーション

イタリアのマナーは、形式よりも「その場を楽しむこと」に重点が置かれています。

挨拶とアイコンタクト

料理が運ばれてきたら、同席者と「Buon appetito!(ボナペティート/召し上がれ!)」と声を掛け合いましょう。スタッフが「Com'è?(コメ?/お味はいかがですか?)」と聞きに来た時は、笑顔でアイコンタクトを送りながら感想を伝えるのがスマートです。

ワインと水のバランス

イタリアの食卓には、必ずと言っていいほどワインと水が並びます。ワインを飲みすぎるのではなく、水(ミネラルウォーター)を合間に挟みながら、会話と料理のペースを合わせるのが大人の嗜みです。


5. 最後に:マナーは「楽しむため」にある

今回ご紹介したマナーは、決してあなたを縛るためのものではありません。パスタにスプーンを使わないことも、音を立てないことも、すべては「料理を最も美味しく、周囲の人と心地よく共有するため」の知恵です。

たとえ完璧にできなくても、料理を愛し、作ってくれた人への感謝を忘れなければ、イタリアの人々はあなたを温かく迎え入れてくれます。

次回のイタリアンランチやディナーでは、ぜひフォーク一本での「巻き取り」に挑戦してみてください。その小さな変化が、あなたをより本場の空気に近づけ、食事の時間をいっそう特別なものにしてくれるはずです。

まとめ

イタリアの食卓には、歴史と愛情が詰まっています。マナーを知ることは、その文化の扉を開く鍵。スプーンを使わずにパスタを楽しみ、ソースの一滴まで堪能する。そんな「粋」な振る舞いを身につけて、心ゆくまで本場の味を楽しんでください。


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