イタリア語の受動態を攻略!自然な表現と作り方のポイント
イタリア語を学んでいくと、「~される」という受け身の表現、つまり**受動態(forma passiva)**が必要になる場面が増えてきます。ニュース記事や歴史の解説、あるいは日常会話でも「この本は有名な作家によって書かれた」といった言い回しはよく使われます。
受動態は、動作の対象を主役(主語)に据えることで、文章のニュアンスを変える便利なツールです。今回は、受動態の基本的な作り方から、イタリア語特有の「andare」や「si」を使った応用まで、分かりやすく詳しく解説します。
1. 受動態の基本構造:essere + 過去分詞
イタリア語の受動態の最も基本的な形は、**「助動詞essere + 動詞の過去分詞」**です。
公式: 主語 + essereの活用形 + 過去分詞 (+ da + 動作主)
過去分詞の語尾変化に注意!
受動態では、助動詞に必ずessereを使うため、過去分詞の語尾を主語の「性」と「数」に一致させる必要があります。
La torta è stata mangiata da Marco.
(ケーキはマルコによって食べられた。)
※torta(女性単数)に合わせてmangiata。
I libri sono stati letti dagli studenti.
(本は学生たちによって読まれた。)
※libri(男性複数)に合わせてletti。
動作主を表す「da」
「誰によって」行われたかを示したい場合は、前置詞 da(~によって)を使います。
2. 時制ごとの作り方
受動態は、助動詞essereの時制を変えることで、現在、過去、未来すべてに対応できます。
| 時制 | 能動態 | 受動態 |
| 現在 | Mario invita Anna. | Anna è invitata da Mario. |
| 近過去 | Mario ha invitato Anna. | Anna è stata invitata da Mario. |
| 半過去 | Mario invitava Anna. | Anna era invitata da Mario. |
| 未来 | Mario inviterà Anna. | Anna sarà invitata da Mario. |
3. 表現の幅を広げる! venire と andare を使った受動態
イタリア語では、essereの代わりに他の動詞を使って受動態を作る面白い表現があります。
① 「動き」を感じさせる venire
状態ではなく「動作そのもの」を強調したいとき、essereの代わりに venire を使うことがよくあります。
La porta viene aperta.
(ドアが開けられる。※今まさに開く動作が行われているニュアンス)
※注:完了した時制(近過去など)ではvenireは使えません。
② 「義務・必要」を表す andare
andare + 過去分詞 の形をとると、「~されるべきだ(義務)」という意味になります。
Questo lavoro va fatto subito.
(この仕事はすぐにされるべきだ = すぐにしなければならない。)
Le regole vanno rispettate.
(規則は尊重されるべきだ = 守らなければならない。)
4. 「Si passivante(受動のsi)」:より自然なイタリア語へ
日常会話で非常に頻繁に使われるのが、この si を使った受動表現です。動作主が特定されていない場合や、一般論を言うときに好まれます。
公式: si + 動詞の3人称(単数または複数)
In Italia si mangia bene.
(イタリアでは食事が美味しい = 良い食事が食べられている。)
Si vendono molti biglietti.
(たくさんのチケットが売られている。)
※後ろに来る名詞(biglietti)が複数形なら、動詞も複数形(vendono)になります。
5. 受動態を使う際の注意点
他動詞のみが受動態になれる
受動態にできるのは、直接目的語(~を)を取ることができる他動詞だけです。自動詞(andare, venire, uscireなど)を受動態にすることはできません。
近過去の助動詞は常にessere
能動態の時にavereを使っていた動詞でも、受動態の複合時制(近過去など)では必ず助動詞はessereになります。
能動:Ho comprato la casa.(私は家を買った。)
受動:La casa è stata comprata.(家は買われた。)
6. まとめ
イタリア語の受動態は、一見複雑そうですが、以下のポイントを抑えれば怖くありません。
基本は「essere + 過去分詞」
過去分詞の語尾は主語に一致させる
義務を伝えたいなら「andare」を活用する
主語を特定しない一般的な話なら「si」を使う
これらを使い分けることで、あなたのイタリア語はより洗練された、ネイティブに近い響きになります。まずは身近な「~された」という出来事を、essereやsiを使って文章にしてみることから始めてみましょう。
繰り返し練習することで、自然なイタリア語の感覚がきっと身についていきますよ!